「ITガバナンスの概念を理解する」|横浜市|コンサルティング

IT Governance

執筆:代表社員 植野まさのり

「ITガバナンスの概念を理解する」


目次

  1. ITガバナンスの定義
  2. ITガバナンスの実施プロセス
  3. ITガバナンスの重点領域

 


1. ITガバナンス(IT Governance)の定義

 「ITガバナンス」とは何でしょうか?書籍やインターネットで調べると様々な定義がされています。代表的なものを下記に挙げます。

  • 「企業が競争優位性構築を目的に、IT戦略の策定・実行をコントロールし、あるべき方向へ導く組織能力」(経済産業省)
  • 「主にIT化により新たに生じるリスクの極小化と的確な投資判断に基づく経営効率の最大化、すなわち、リスクマネジメントとパフォーマンス・マネジメントであり、これを実施するに当たっての、健全性確保のためのコンプライアンス・マネジメントの確立である。」(日本監査役協会ITガバナンス委員会)
  • IT 利用企業の責任者、CIO、IT 企画部門、IT 利用部門に求められるマネジメント力である。 すなわち、①IT の利用者として IT をビジネスに使いこなすための統治力であり、②最適な専門家の知恵を束ねて活用する統治力であり、③IT サービスを委託する側のオーナーシップである。(野村総合研究所)

弊社での定義

  • 「経営戦略に即したIT戦略の策定と、その確実な遂行を実現する仕組み」(AllNew)

 


2. ITガバナンスの実施プロセス

 ITガバナンスの実施プロセスには以下があります。

準備

1. ITガバナンス方針および係る手続きを制定する

ITガバナンス方針および係る手続き(IT戦略、IT計画の策定手続き、等)を文書化して制定する。

■策定文書

・ITガバナンス方針 : ITガバナンスの原理原則を定めたもの

・ITガバナンス規程 : ITガバナンスを確立する上で、特に重要な取り決めを体系的にまとめたもの

2. ITガバナンスやITマネジメントに係る委員会を創設する

取締役会や経営会議でのITガバナンスやITマネジメントに係る意思決定を支援する組織として、専門の委員会を創設する。

IT戦略委員会:経営および事業側の視点から、IT戦略上の問題について上位会議体へアドバイスを提供する

IT投資委員会:IT資源の適切な配分の決定、予算の承認、及びプロジェクトの進捗状況をモニタリングし、上位会議体の意思決定を支援する

実施

3. 経営戦略とIT戦略の整合をとる

経営戦略での達成目標と、IT戦略の達成目標を整合させる。

4. IT戦略にもとづくIT計画を策定し、事業計画とIT計画の整合をとる

IT戦略の達成目標を実現するために必要なIT計画を策定する。その際、事業計画との整合をとる。

5. IT計画の実行をモニタリングする

プロジェクトの実行状況をモニタリングし、状況を分析し、必要な指示を与える。

6. IT計画の結果を評価する

完了したプロジェクトの結果を分析評価し、得られた情報をもとに後続のプロジェクトや計画を改善する。

 


3. ITガバナンスの重点領域

 ITガバナンスの重点領域は以下の5つです。

 ・戦略との整合: 事業計画とIT計画の整合を保つ

 ・価値の提供 : 経営戦略でITに期待されている便益の創出が確実に行われるようにする

 ・リスクの管理: セキュリティ対策、信頼性向上、 法令への準拠

 ・資源の管理 : 全てのIT資源の資産情報を最新に保ち、IT投資を最適化する

 ・成果の測定 : 事業計画、IT計画の達成状況

 


 

 合同会社AllNewでは、事業規模の拡大・拡充のご支援としての「新事業の立上げ」や業務の時間短縮・働き方改革としての「管理部門の業務効率化」、経営に即したIT戦略により競争力の向上を実現する「ITガバナンスの構築」「ITマネジメントの整備」等のご支援をしております。

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